ムハンマドちゃん

お寿司がすきです

音楽の端っこに触れて

 

数日前、ネイルが伸び切っていて、それなのにコロナのせいでネイルサロンはやっていないので、仕方なくドンキに売っていたジェルネイルオフキットでネイルを剥がし、ついでに指より5ミリ強ほど長かった爪も切りました。

 

爪を切ったらやってみたい事がありました。ギターです。ギターというのは、弦を指で押さえて演奏するので、従来のような長い爪では物理的に弦を押さえるのは不可能でした。そういうわけで、一年半以上前のサークルの合宿が終わった瞬間から今までずっとネイルをしていた私は、それから一度もギターを弾くことはなく、昔はステージの上で輝いていた私のエレキギターも、完全に廊下のオブジェと化していました。

そしてこれは一見関係のない話なのですが、その爪を切った日の夜、それはもう物凄い家族喧嘩をしてしまい、泣き叫んで声も枯れて精神的にも疲れて、お風呂にも入れず屍のようにベッドに横たわっていました。

 

そこでふと急に思い立ち、リフレッシュをするかのような気分で一年半ぶりに廊下に「飾られた」ギターを手に取ってみました。

 

恐る恐る何となく記憶にあったコードを幾つか押さえてみたら、意外と弾けたのです。少し練習したら、昔に比べればそりゃあ下手っぴですが、下手っぴなりに段々と感覚を取り戻してきました。身体が覚えてるってこういう事なんだなあと思いました。

楽器を演奏する、という感覚がとにかく久しぶりで、嬉しくて、楽しくて、ネットで色んな曲のコードを調べては弾いていました。ただ、ピックやチューナーもどこかへ行ってしまったので、適当にチューニングして一円玉で弾いていました。それでも楽しくて、朝まで色んな曲を弾いたり歌ったりしていました。一円玉で。

 

次の日にはピックも見つかり、一円玉は一日で卒業しました。ピックってこんなに弾きやすいんだ!と感動しました。

 

それでもギターソロとかピロピロしたりとかそういうのに挑戦する勇気はなかったので、好きな曲のコードを調べて弾いて、カラオケ気分で歌ったりもしました。側から見たらこれを弾き語りと呼ぶのかもしれませんが、私的には完全に「自給自足のカラオケ」気分です。コロナでカラオケも閉まってるし、丁度良い暇つぶしになりました。

カラオケは好きです。昔から普通に歌うことは好きだったけれど、バンドで演奏していて歌う、というようなことはあまりありませんでした。私は声量が乏しく、か細いような、やくしまるえつことBiSのイトー・ムセンシティ部を足して二で割ったような声をしている(ファンに怒られそう)ので、バンドにおけるボーカルとかそういうのには向いていないのです。なので、いわゆる弾き語り程度が丁度良いのだと思います。個人的にはカラオケのつもりなので、本職でもないくせに、上手くもないくせに歌うな弾き語りナメんなとか怒られても、本当にその通りです申し訳ございませんでしたと言うことしかできません。すみません。

 

そんなわけで、この数日は久しぶりにギターを鳴らしたり久しぶりに歌ったりして、小並感満載の感想ですが音楽って素敵だなと思いました。いや、勿論元々普通に音楽を聴いてこの曲いいナ〜とか思ったりはしていたのですが、何というか、自分で音楽を作るっていうか、別に曲を作っているわけでも何でもなくただ既存の曲をコピーしているだけなのですが、自分で音を鳴らしてそれが小さな音楽になっている、という感覚が久しぶりで楽しくて、なんだか幸せでした。

中学に入ってすぐ軽音楽部でバンドを組むようになり、そのまま高校を卒業して、大学でもバンドサークルに入り頻度は減りましたがバンドを続けていて、そこから一年半のブランクがあり、今に至ります。当たり前にバンドで演奏する環境にいた、つまりは自分で鳴らした音が音楽になっていた、そんな過去の環境が懐かしく、羨ましく思えました。もう一年半もブランクがあるので高校の頃みたいにギュンギュンピロピロしたりはできませんが、それでも今コードを弾いて歌っているだけでも楽しいです。音楽って、素晴らしいんですね、と身に染みて感じた数日間でした。私は飽きっぽい性格なので、いつまでこのマイブームが続くのかはわかりませんが、そんな事を思ったりしました。おしまい