ムハンマドちゃん

お寿司がすきです

ハプニングバーの懐古話

 

連日のコロナ騒ぎ、不要不急の外出自粛ムードにより、私の引きこもりも正当化されてしまいました。しかしながらいざ正当化されてしまうと今度はなんだか外に出たくなってきてしまい、私は天邪鬼気質なんだなと思いました。そんなクソほどどうでもいい事を考えてしまうほど暇なのです。YouTubeもネトフリも飽きたし、どうぶつの森がやりたいのにSwitchは買えないし、暇で仕方がないのです。暇だとこうしてクソほどどうでもいい事ばかり考えてしまうので、クソほどどうでもいいハプニングバーの体験談でもしようかと思います。

 

 

数ヶ月前、友人二人とハプニングバーへ行きました。ハプニングバーというのは文字通り、その場に訪れた男女の間で何かしらのハプニングが起きちゃうかも!?というお店です。詳細はGoogle先生に訊いてください。友人とはもう一年ほど前から「ハプニングバーってのがあるらしいよ、行ってみたくない?」「他人のセックスを生で見てみたくない?」「わかる」などと話しており、念願叶ってのハプニングバーデビューとなりました。気持ち悪い趣味の女子大生達です。

 

いざ入店すると、まずはスタッフさんに建物内の案内をされます。一階がフロント、更衣室、シャワールームとちょっとした談話室(このシャワールームの時点で全てを察した)、地下一階はバーのような雰囲気で、男女がお酒を片手に交流するような場所でした。そして二階がいわゆるプレイルームで、マットが敷かれており、そして堂々と構える本格的なSM器具がその異様さを引き立てていました。プレイルームはカーテンで区切られているのみで中の声は丸聞こえ、そしてプレイルームの壁はマジックミラーになっており、中の様子を見学する際はマジックミラーの裏側から静かに見学するようにと注意されました。もうこの時点で、というかスタッフさんがそれを当然のように淡々と説明している時点で、あまりに非現実的な空間すぎて、ビビリな私の心臓は既にバックバクでした。

 

案内が終わると地下のバースペースに通されました。私達は女三人で一緒にいるつもりだったのですが、スタッフさんにバラバラにされてしまいました。まあ男性客への為の配慮もあるのでしょうから仕方がありません。(入場料や入会費は女性は全部で二千円ですが、男性は合わせて二万円以上したと思います)そうして、いざ周りを見てみるとほとんど全員がヤバいコスプレをしているのです。パンイチにはっぴ姿のイカツいお兄さん、ほぼ胸丸出しの年齢不詳の女性、童貞殺しニットを着たおじさん、私達はそんなヤバい人たちの輪にたった一人で混ざっていきました。ほとんどのお客さんがコスプレをしているものですから、していない私と友人らの方が浮いてしまい、結局私達も全員コスプレをすることになりました。(友人はチャイナドレスにミニスカポリス、私はセーラー服をチョイスしたので露出が多いとはいえギリギリの尺度を保っていました)

 

男女比は8:2程度だったと思います。当然ながら女一人に男数名がたかるような状態です。想像してみてください。ヤバいコスプレをしたお兄さんやおじさんが、これまたコスプレをした女子大生にたかっているのです。変態めいたコスプレをした状態でナンパする男性などこの世のどこにいるのでしょうか。さらにヤバいのが、フロアの中央で全裸のおじさんが踊っているのです。もう何もかも、おじさんの全てが丸見えです。後から聞いた話では、そのおじさんは女の子に「キモ〜い!」と言われることで興奮する趣味、かつ、バイアグラ的なものを飲んでいる常連のヤバい人だったらしいのですが、しかしながら誰もそんなおじさんの事を気にしていません。みんなそれがさも当然の事かのようにスルーしています。ダンシング全裸おじさんをよそに、高い入場料を払った男性達はワンチャンを狙って女の子にたかるのです。全員コスプレをして。その場にいる誰もが変態なんていう言葉じゃ収まりません。今考えると異常空間を通り越して、あれは本当に実在する場所だったのだろうかとすら思います。

 

個人的感想としては、話がつまらないおじさん達に「二階行かない?見にだけでも行ってみない?」などとセクハラ混じりに付き纏われている時は(金貰えないパパ活かよ…)と若干退屈な気分になっていたのですが、夜が更けていくにつれて人も増え、二階も賑わい始めると、まあかなり今までにもこの先にもないようなエキサイティングな経験ができたかなと思います。一緒に行った友人も初対面のおじさんに変なコスプレをさせたり、プロレスラーと仲良くなって一緒に他人のセックスを見学したり、各々楽しんでいたのではないでしょうか。私も他人の情事を間近で見て聴くのは初めてでした。(当然)

 

そんなこんなで四、五時間ハプニングバーに滞在したのですが、お店のあるホテル街を抜け、見慣れた街並みに戻ると、より一層さっきまでのは何だったんだという気持ちになりました。なんだか変な夢を見ていたような気分でした。

軽い気持ちで連絡先を交換した男性がいたのですが、先日「またハプニングバー一緒に行かない?」と誘われて、迷わず断りました。これが仮にパパ活でお給料が出るとしても、行くか迷うレベルです。それなりに楽しい時間ではありましたが、非現実的すぎて、異世界すぎて、気軽に行く勇気は出ません。東京の究極的なアンダーグラウンドを見てしまった気分です。

 

多分この限りない異常空間具合は実際に行ってみないと分からない気がするので、最後にハプニングバーに興味がある人に向けて、気をつけてほしいことでも書いて終わることにしましょう。

まず、男性に向けて、とにかく初回は入会金と入場料が高いです。そして二万以上を払って実際にハプニングに至るためには、私のような分際で申し上げるのも失礼ですが、女子ウケするそれなりの清潔感とそれなりのトーク力が必要かと思われます。そのくらい競争率が高いのです。話す相手も見つからずつまらなそうに男同士で酒を飲んでいる卓もありました。スタッフさんも女の子を守るために監視しているので、そういう事をしたいだけなら風俗やそこらへ行った方が金銭的にも精神的にもコスパが良いと思います。

次に、女性に向けては、うーん、特に言うことはないというかハプバーに行きたい!という女の子なんてロクな思想をもっていなさそうなので言うことはないように思いますが、強いて言うなら、嫌な事は嫌とはっきり言った方が良いです。その気がないなら最初から「二階に行く気はありません!」と言っておいた方が変な期待も抱かせず楽だと思います。そのくらいです。スタッフさんも、初めて?大丈夫?などと気遣ってくれるので、そんなに恐れるような場所ではありません。実質朝まで飲み放題二千円ぽっきりなので、興味本位で一度行くのは悪くないと思います。

 

 

・・・と、長々とマジで死ぬほど下品で不躾な話をしてしまいました。でも、もしかしたら今も、あの場所では非現実的なあんなことやこんなことが実際に起こっているのかもしれません。今日もまたフロアの中央で全裸のおじさんが踊り狂っているのかもしれません。そう考えると少し怖い気もしますが、そんな非日常もあのおじさんにとっては日常なんだなって思うと、あの空間も肯定できる気がします。でも私は余程親しい友人と一緒じゃないと、そして余程またあの空間を味わいたくなる理由がないと、もうそうそう行く勇気が出ません。